近年、ビタミンDがさまざまな病気とも関連していることが報告され、「思われていたよりも重要な栄養素」であることが分かってきております。
そこでやはり我々薄毛民にとって気になるのが、薄毛との関連性があるのかどうか。
論文を軽く漁ってみると、かなり深い関連があるようでしたので、詳しく調べました。
どのように関連しているのか、摂取時の注意などをここにまとめておきます。
目次
薄毛の人は身体にあるビタミンDが少ない
まず、薄毛の人、とくに円形脱毛症の人はビタミンD量が少ないようです。
これは、10例以上の研究で確認されているので間違いないかと。(AGAにおいては2例ですが)
早速ですが、最も参考になったメヌーフィア大学の研究データを使って、どれぐらいビタミンDが少ないのか見ていきましょう。
メヌーフィア大学の研究
83%がビタミンD不足だった
(すいません、グラフがボケて見にくくなっております。)
グラフの説明:左が円形脱毛症で、右が健常者。赤が欠乏率で、青が正常率。
グラフからは、ビタミンD不足の人が、健常者では23%だったのに対し、円形脱毛症では83%だったことが分かります。
つまり、円形脱毛症の人はかなりの割合でビタミンDが不足しています。
量は健常者の3分の2だった
こちらは血清のビタミンDレベルの平均値を比較したものです。
「血液中にどれだけビタミンDがあるのか」を比較しているわけですね。
見ての通り大きな大きな差があり、円性脱毛症は健常者の2/3程度しかありません。
つまり、円形脱毛症の人はビタミンDの量が少ない可能性が高い。
症状が重くなるほど不足していた
このグラフでは、脱毛度合いとビタミンD量を示しています。
左から軽度、中度、重度、健常者で…、重度の平均ビタミンD量は健常者の半分程度となっています。
つまり、円形脱毛症の症状が重くなるほどビタミンDが不足しているのかも。
ただし、これは脱毛症がコンプレックスとなって外出が減り、日照時間が少なくなったからという可能性もあるようです。(※日光に当たるとビタミンDが生成される)
メヌーフィア大学の研究まとめ
ここまでをまとめると、
円形脱毛症は
- 83%がビタミンD不足。
- 体内のビタミンD量は健常者の2/3。
- 症状が重くなるほどビタミンDが不足している。
とまあ、円形脱毛症においてはほぼ確実に相関があるみたい。
AGAや休止期脱毛症においても関連性を示す研究が数例ありますが、まだ確定はできない段階です。
ビタミンDを塗ったら髪が生えた!
また、ビタミンD誘導体であるカルシポトリオールを頭皮に塗ったら脱毛症が改善し、髪が生えたという報告もあります。
ビタミンD誘導体ってのは簡単にいうと「吸収しやすくしたビタミンD」です。
つまり、頭皮にビタミンDを補給したら髪が生えたというわけです。
※有効性はこちらの3例の研究で確認できていますが、いずれも円形脱毛症が対象なので他の脱毛症への効果は不明です。
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3412244/
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28133875/
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26091388/
ビタミンDを増やす方法
ビタミンDが髪の成長に働くのが分かったところで、次に知りたいのが増やす方法ですよね。
増やす方法は、
- 皮膚に日光を当てて合成する
- 食事から摂取する
- サプリメントで摂取する
と、主に3つあります。
2例の研究によると、週に2回、5-30分の日光浴で必要量の50%は合成できるようです。
したがって、食事やサプリで残りの50%を摂取すればok。でも具体的な量が分かりませんね。
日本食事摂取基準では5.5㎍が目安となっていますが、近年これが少なすぎることが判明してきており、これで不足しないのは現場仕事などの外で活動する時間がかなり多い人ぐらい。
108本のデータをもとに計算した研究では、普通体型の人でおよそ75㎍の摂取が最適だそうで、思われていたよりもかなり多くの量が必要みたいです。
とはいえ、75㎍も食事で摂取するのは難しいので、とりあえずサプリで50㎍(2000IU)程度摂るのがおすすめですね。
「そんなに摂って大丈夫なの?」と思われるでしょうが、1日250㎍までは安全だとされているので、過剰症の危険はほぼないかと。
筆者はサプリで100㎍摂っていますが、今のところ何の問題も出ておりません。
摂るならビタミンD3を
摂取するときの注意点としては「ビタミンD3」を選ぶこと。
実はビタミンDにはD2とD3の2種類あり、人間の身体で重要な働きをしているのはD3のほうなんですね。
摂取による効果では、どちらが良いというのはまだハッキリしていませんが、D3のほうが効果的だというのが一般的。
とりあえずD3を選んでおきましょう。
おすすめ食品とサプリ
ビタミンD3を補給したい人に、おすすめの食品は『魚』です。
まあ正確には魚類で、種類によって含まれている量も違うのですが、そこまで考えるとストレスになったりするのでシンプルに「魚を食べるとビタミンD3が補給できる」と考えましょう。
あとはキクラゲですね。「魚とキクラゲ」これで十分。
サプリは筆者が飲んでるものを紹介。
海外製にしては粒が小さく、ちゃんと脂溶性ビタミン向けのソフトゲルなのでおすすめ。
まとめ
今回の話をまとめると、
- 円形脱毛症とビタミンDはほぼ確実に相関がある。
- AGAと休止期脱毛症とも関連しているかも。
- 発毛に必要なのは確実。
- ビタミンDは不足していることが多いためサプリで補うべき。
といった感じ。
あ、そうそう。多量のビタミンD3をすでに摂取していたのは、健康のためです。
冒頭でも言ったようにビタミンDは健康を保つ上でかなり重要なので、髪への効果抜きにしても多めに摂取するべきなんですよね。
長くなるのでここでは詳しく話せませんが、ほんとに多めの摂取はおすすめですよ。
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