
ヒキオコシエキスはフィンジアに入っている成分ですね。
どのような育毛効果があるのか、危険性はないのか、18本の論文をもとにみていきましょう。
ヒキオコシ葉/茎エキスとは
ヒキオコシ葉/茎エキスはその名の通りヒキオコシの葉と茎の有効成分を抽出した液体です。
ヒキオコシはシソ科ヤマハッカ属の植物で、生薬「延命草」としても利用されています。
含有成分
エンメイン、ジヒドロエンメイン、イソドカルピン、オリドニン、ペダリチン、ノドシン、トリコドニン、ラブドシアノン、ラシオドニン、マオイエラブドシン、オドニシン、βシトステロール、など
育毛における効果
1.ヒキオコシがもつ抗炎症作用について
ヒキオコシに含まれるオリドニンは炎症を誘発する因子である「IL-6」と「IL-8」を抑制するということが確認されています。
内皮細胞(血管の内側の膜)の炎症に対しては特に有効である可能性が高く、他の炎症に対しての有効性はまだハッキリとしていないようです。
そのため、ヒキオコシの抗炎症作用での脱毛の抑制効果は微妙なところ。
2.ヒキオコシがもつ抗酸化作用について
ヒキオコシに含まれるオリドニンは活性酸素の生成を抑制することが分かっており、ケラチノサイト(表皮角化細胞)を保護します。
つまり、肌を酸化から守るということ。
→頭皮を酸化から守ります。
3.ヒキオコシがもつ抗菌作用について
ヒキオコシに含まれるエンメイン、ノドシン、イソドカルピン、オリドニン、ペダリチンに抗菌作用があると分かっています。
抗菌試験結果によると、ヒキオコシは総合的に表皮ブドウ球菌、ピロリ菌、虫歯菌に対して比較的強く作用するようです。
ブドウ球菌に対して強く作用することから、頭皮の悪臭の防止につながります。
発毛促進効果はデマ?
ヒキオコシエキスが発毛を促進するとの話が出回っているようですが、今回調べた限りでは一切根拠は見つかりませんでした。
発毛促進効果があると言っているサイトをみても根拠となる資料やデータは全く提示していません。
根拠となるデータは無いか公開されていないということです。
仮にデータがあったとしても、きちんと公開されていないものを信用してはいけません。
発毛促進効果はデマだと思ったほうが良いでしょう。
その他の効果
ほかにも上記の作用が確認されています。
危険性
副作用
血行促進を阻害する?
オリドニンには抗腫瘍作用がありますが、その仕組みとして血管新生を阻害するというものがあります。
血管新生は新たに血管を作るということなので、これを阻害してしまうと、血行促進も阻害することになります。
腫瘍にだけ作用するのかもしれませんが、もしそうでないなら育毛にとっては確実にマイナスです。
まとめ
以上、『ヒキオコシエキスの育毛効果|19本の研究論文をもとに』でした。
研究論文をみる限りは、配合する必要あるのかな?という印象です。
発毛促進の根拠はないですし、血行促進を阻害する可能性もありますし...。
個人的にはオススメはできない成分ですね。
では、まとめです。
ヒキオコシエキスは...
- 抗炎症・抗酸化・抗菌作用をもつ。
- 頭皮を酸化から守り、悪臭を防ぐ。
- 発毛促進効果は信用しないほうがいい。
- 血行促進を阻害するかも。
+ 参考文献(クリックでひらく)
研究論文
- A new ent-kaurane diterpenoid glycoside from Isodon japonica var. glaucocalyx.
- Isodon japonicus decreases immediate-type allergic reaction and tumor necrosis factor-alpha production.
- ent-Kaurane diterpenoids from Isodon japonicus.
- Antiproliferative diterpenoids from the leaves of Isodon rubescens.
- New Bitter Diterpenes, Rabdosianone I and II, Isolated from Isodon japonicus Hara.
- Diterpenoids from Isodon japonica.
- Antiangiogenic effects of oridonin.
- Antitumor and Antibacterial Derivatives of Oridonin: A Main Composition of Dong-Ling-Cao.
- Eriocalyxin B, a natural diterpenoid, inhibited VEGF-induced angiogenesis and diminished angiogenesis-dependent breast tumor growth by suppressing VEGFR-2 signaling.
- Synthesis, Cytotoxicity and Antimicrobial Activity of New Enmein-type Kauranoid Diterpenoid Derivatives.
- Synthesis and antimycobacterial evaluation of natural oridonin and its enmein-type derivatives.
- Recent advances in the molecular basis of anti-neoplastic mechanisms of oridonin.
- Oridonin ameliorates lupus-like symptoms of MRL(lpr/lpr) mice by inhibition of B-cell activating factor (BAFF).
- Oridonin inhibits tumor growth and metastasis through anti-angiogenesis by blocking the Notch signaling.
- Oridonin inhibits vascular inflammation by blocking NF-κB and MAPK activation.
- Oridonin derivative ameliorates experimental colitis by inhibiting activated T-cells and translocation of nuclear factor-kappa B.
- Effects of Oridonin on growth performance and oxidative stress in broilers challenged with lipopolysaccharide.
- Oridonin protects HaCaT keratinocytes against hydrogen peroxide-induced oxidative stress by altering microRNA expression.
- Study on the antibacterial activity of compounds from the isodon species.