ポリクオタニウム-11はアデノゲンやアデノバイタルなどの資生堂製品に含まれている成分ですね。
配合の目的と安全性をみていきましょう。
ポリクオタニウム-11とは
カチオンポリマーの一つです。カチオン化ポリマーとも呼ばれます。
カチオンとは陽イオン(+の電荷をもった原子または原子団)のことで、ポリマーとは重合体(同種分子の結合による物質)のこと。注意してほしいのが、カチオンポリマーは他の成分をカチオン化するためのポリマーだという点です。
つまり、カチオンポリマーは「+の電荷をもった同種分子の結合による物質」ではなく、「+の電荷をもたらす、同種分子の結合による物質」。
「他の成分に+の電荷を与えたいなー」といったときに配合するわけです。
- ちなみに、医薬部外品の場合は成分名が「ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液」と、長ったらしく、ややこしい表記になります。
効果・役割
ポリクオタニウム-11の効果・役割
- 皮膜形成
- 保湿
- 帯電防止
皮膜形成
皮膜を作ることで、皮膚の保護・保湿につながるほか、成分の吸収促進も期待できます。
保湿
収れん作用により、皮膚を引き締めることで保湿します。
上記の皮膜形成による保湿効果もあります。
帯電防止
ポリクオタニウム-11が形成する皮膜は電気を通すため、皮膜を通じて電気が逃げていきます。
安全性
ポリクオタニウム-11の刺激・アレルギー性
- わずかな刺激をもつ
- アレルギー性(感作性)は低い
わずかな刺激をもつ
- 19名のヒトを対象に、ポリクオタニウム-11濃度9.5%の溶液を用いたパッチテストで、1名にわずかな刺激が確認された。
- ウサギを対象に、ポリクオタニウム-11濃度50%の溶液を用いた刺激テストで、刺激は確認できなかった。
参考:Final Report on the Safety Assessment of Polyquaternium-11
一般製品にポリクオタニウム-11を配合する場合の濃度は、多くても1%ほどなので、刺激が出ることはほぼありません。
アレルギー性(感作性)は低い
- ポリクオタニウム-11濃度9.5~50%の溶液を用いて、感作性テストを行ったところ、感作は確認されませんでした。
参考:Final Report on the Safety Assessment of Polyquaternium-11
この実験だけで感作性が全くないとは言い切れませんが、低いことは間違いないでしょう。
まとめ
非常に安全で、役に立つ成分ですね。
カチオンポリマーについては少し説明がたりないので、また別の機会に詳しく解説しようかと思ってます。
では、まとめです。
ポリクオタニウム-11は...
- カチオンポリマー(+の電荷をもたらす、同種分子の結合による物質)の一つ。
- 皮膜形成・保湿・帯電防止の効果をもつ。
- わずかな刺激をもつ。
- アレルギー性(感作性)は低い。
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