最近、海外の育毛剤を調べてるのですが、どうもプラセンタ配合の育毛剤が増えてきているようです。
このプラセンタに、どれほどの育毛効果があるのかをガッツリ調べてみると、2つの研究で育毛効果が確認されていました。
今回はその2つの研究をもとにプラセンタの育毛効果についてお伝えしていきます。
目次
プラセンタってなんだ?
「プラセンタってなんだ?」って方も多いと思うので、すこし説明。
まず、プラセンタというのは胎盤のこと。胎盤の英語がプラセンタですね。
胎盤はへその緒とつながっていて、子供に必要な栄養や酸素の補給場所という感じの役割を持った臓器です。
胎盤は子供が生まれると排出されるのですが、様々な有効成分が含まれているため、医薬品やサプリメントの原料として利用されています。
で、「その有効成分がどの程度の育毛効果をもたらすのか」というのが今回の本題ですね。
人への育毛効果は確認されていない
実は、プラセンタの育毛効果は動物でしか確認されておらず、人への育毛効果は確認されていません。
なので、人が使って育毛効果が発揮されるかどうかは分かりません。
うーん、これは大きなマイナスポイント。
マウスへの育毛効果は2つの研究で確認済み
育毛効果を確認した研究、1つ目はこちら
この研究では、どのように確認したのかというと、
- 脱毛させた15匹のマウスを用意
- プラセンタエキスを塗るグループ、ミノキシジルを塗るグループ、食塩水を塗るグループの3つに分ける
- 3つの差を見る
といった感じ。よくある比較対照試験ですね。
結果
で、結果は…
プラセンタエキスとミノキシジルを塗ったグループは毛の成長が強化された!
具体的には、毛の本数と、毛の太さが大きく増加しました。
こちらは毛の密度(本数)を記録したグラフ。
こちらは毛の直径(太さ)を記録したグラフ。
灰色の棒がプラセンタエキスです。
見るとわかりますが、本数と太さ、両方ともトップになってますよね。驚くことに、ミノキシジルよりも育毛効果を発揮したんですよ。
というわけで、この研究で分かったことをまとめると…
プラセンタには
- 毛の本数を増やす効果がある!
- 毛を太くする効果がある!
といった感じ。
注意点
- マウスでの実験のため、人にも効果があるかは不明
- この研究で使われている『人のプランセンタ』は日本では育毛剤に使えない
育毛効果を確認した研究、2つ目はこちら
この研究では、どのように確認したのかというと、
- 脱毛させた27匹のマウスを用意
- プラセンタエキスを塗るグループ、ミノキシジルを塗るグループ、水を塗るグループの3つに分ける
- 3つの差を見る
といった感じ。実験方法としては1つ目とほぼ同じですねー。
結果
で、結果はというと…
プラセンタエキス・ミノキシジルを塗ったグループは毛が速く・太く成長した!
はい、グラフどん!
左から順に、毛の長さ、毛の直径、毛包の数、を記録したグラフ。(画像を押すと拡大)
毛の長さと毛の太さは、ミノキシジル、プラセンタ、水の順になっており、育毛効果が発揮されていますね。
一方、毛包の数はあまり差がありません。
というわけで、この研究で分かったことをまとめると…
プラセンタには
- 毛の成長速度を速める効果がある!
- 毛を太くする効果がある!
- 毛の数を増やす効果の期待値は低め!
といった感じ。
注意点
- マウスでの実験のため、人にも効果があるかは不明
- この研究で使われている『牛プラセンタ』は、現在日本では使えない
注意!安全かどうかが分からない
プラセンタって、アレルギーや副作用の報告が結構されているんですが、なぜかちゃんとした安全性テストを行っている研究が見当たらないんですよね。
なので、アレルギーはもちろん、副作用、感染症なんかのリスクがどれほどなのかも分かりません。
まとめ +おまけ
2つの研究を見ての結論としては、「今のところおすすめはできない!」となります。
理由はこの3つ。
おすすめできない理由
- 人への効果が確認されていないから
- 研究に使われているプラセンタは日本では育毛剤に配合できないから
- 安全性が不明だから
今後に期待!って感じですねー。
おまけとして、プラセンタの育毛効果のメカニズムを少し説明していきます。
興味のある方だけどうぞ。(少し専門的な話になるで注意)
育毛効果のメカニズム
判明しているプラセンタの育毛効果のメカニズムとしては、以下の2つ。
- FGF-7を増やす
- IGF-1を増やす
FGF-7とは?
FGF-7は(Fibroblast Growth Factor-7)の略で、日本語ではヒト繊維芽細胞成長因子-7となります。
まあ、細胞を成長させる物質のひとつですね。
FGF-7の増加で毛が成長する根拠
FGF-7はいくつかの研究で成長期に増える物質だと確認されています。情報元
また、特に成長期の早期に増えるため、「FGF-7は成長期を誘導しているのでは?」と考えられています。情報元
IGF-1とは?
IGF-1は「Insulin-like growth factors-1」の略で、日本語ではインスリン様成長因子-1となります。
こちらも、細胞を成長させる物質のひとつです。
IGF-1の増加で毛が成長する根拠
FGF-1はいくつかの研究で成長期に増える物質だと確認されています。情報元[1][2]
また、疾患によってIGF-1を合成する能力が欠如している人には、ミノキシジルなどのIGF-1の増加をメカニズムとする発毛剤の効果が出ない事例が報告されているため、IGF-1が毛の成長にとって不可欠であることは、まず間違いありません。情報元
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