褐藻エキスはフィンジアなど、多くの育毛剤に含まれる成分ですね。
どの程度の育毛効果があるのか、副作用はないのか、研究論文などの資料をもとに見ていきましょう。
褐藻エキスとは
褐藻(かっそう)エキスは褐藻類の有効成分を抽出した液体です。
褐藻類はその名の通り褐色の藻のことで、ワカメや昆布などがこれに当たります。
含有成分
フコイダン・アルギン酸・アスコフィラン・クロロフィル・フコキサンチン・フロロタンニン類・ヨウ素・ビタミン類・カリウム・マグジサリシレート など
育毛効果
褐藻エキスの育毛作用
- FGF-7産生促進作用(毛髪成長促進)
- FGF-2産生促進作用(血管を作る)
フコダインの育毛効果
褐藻類に含まれるフコダインにはFGF-7産生促進作用があります。
これはフレグランスジャーナルという学術雑誌にも掲載されているため、信用度は高いです。
ただし、試験管実験のみでしか確認されていないため実際の効果は未知数。
FGF-7は成長因子のひとつで、成長因子とは細胞を成長させるための号令のようなものです。
薄毛部はFGF-7の産生量が少なくなることが分かっており、薄毛の要因の一つとされていることから、FGF-7産生促進作用は薄毛の改善につながります。
褐藻の種類で大きく差が出る
フコダインの育毛効果を発見したタカラバイオによると、フコダインにはいくつかの種類があり、種類によって育毛効果にバラつきがあるとのこと。
比較実験において、もっともFGF-7産出量が増加したのがカゴメ昆布に含まれるフコダインだったようです。
(出典:タカラバイオ)
グラフをみると、カゴメ昆布に比べて20分の1程度のものも...。
つまり、褐藻エキスが入っていても、どの褐藻からのエキスなのかで育毛効果に大きく差が出るということです。
フコキサンチンの育毛効果
フコキサンチンにも育毛効果があるようです。
リーブ21が、フコキサンチンにも育毛効果があることを示す研究結果を発表しました。
2017年と、かなり最近な上に詳細な研究内容がどこにも掲載されていないので、信用度は低いですが。
(出典:リーブ21)
0.2%という薄い濃度で1.4倍・2.5倍など、かなり高い効果があるようですね。
ただ、遺伝子・タンパク質発現解析のFGF-2というのは主に新たな血管を作る働きをもつ成長因子のため、直接的な育毛効果はないと思います。
もちろん血管が増えることは間接的に育毛につながるんですけどね。
しかもFGF-2の血管を作る力は非常に強力だという研究結果もあるので、そこは期待できます。
その他の効果
- 保湿
褐藻エキスにはミネラルなどの豊富な栄養素が含まれており、それらが肌に柔軟性や弾力を与えます。
副作用
外用における副作用は今のところ確認されていません。
毒性や刺激性も確認されていないため、基本的に安全でしょう。
ただし植物エキスということから、アレルギーが出る可能性は十分考えられます。
まとめ
以上『褐藻エキスの育毛効果と副作用|研究論文などの資料をもとに調査』でした。
褐藻エキスは一時期はやし立てられたことから、さぞかし優秀な成分だろうと思っていましたが、そうでもないんでしょうかね。
まだ明確な効力は分かりませんが、現時点ではこの成分目当てに育毛剤を買うことはありえません。
褐藻エキスを目玉成分として扱っている育毛剤は注意した方がよさそうです。
とはいえ、試験管実験では育毛効果が期待できる結果を出しているので、入っているに越したことない成分です。
育毛剤選びの小さな指標として使うのはいいんじゃないでしょうか。
では、まとめです。
褐藻エキスは...
- フコダイン・フコキサンチンに育毛効果がある。
- FGF-7産生促進作用(毛髪成長促進)がある。
- FGF-2産生促進作用(血管を作る)がある。
- どの褐藻でエキスを抽出したかで大きく差が出る。
- 人体への効果は未知数。
- 副作用はない。
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