育毛効果のある天然成分のひとつとして「イソフラボン」は有名ですよね。
そういえばちゃんと調べてなかったので、今回はイソフラボンの育毛効果を検証していこうかと。
DHT抑制効果、毛髪促進効果についてみていきましょう。
目次
イソフラボン
イソフラボンはポリフェノールの一種。
ポリフェノールを化学的なこと抜きにザックリいうと、色素や苦みに関係している植物成分の総称です。
イソフラボンにもいろいろありますが、ゲニステインとダイゼインなんかが代表的。
DHT抑制効果
本題に入りますが、イソフラボンがDHTを抑制するのは間違いないとみていいでしょう。
かなり多くの研究で確認されていますので。
効果があると分かれば、次に気になるのが「一体どの程度の効果があるのか」ですよね。
ここでは8つの研究をもとに具体的な効果を見ていきます。
イソフラボンがDHTを抑制する仕組み
研究によると、イソフラボンは以下3つの仕組みでDHTを抑制するよう。
- DHTと結合し、アンドロゲン受容体との結合を阻害する
- DHTレベルを減少させる
- (アンドロゲン受容体に結合し、DHTとの結合を阻害する?)
3つめに関しては、まだ推測段階です。
DHTと結合するってのがフィナステリドとの大きな違いっすね。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14681200
ジヒドロテストステロン(DHT)に特異的に結合することを確認。
エクオルは循環DHTに結合し、それをアンドロゲン受容体から隔離し、アンドロゲンによって調節される成長および生理学的ホルモン応答を変化させることができる。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20436506
ドッキングシステムで、親和性を計測。
イソフラボン・ゲニステイン・ダイゼイン、この三つの植物性エストロゲンはAR(アンドロゲン受容体)との親和性が高い。
DHTレベル減少効果
DHTレベルが、160㎎では47%減少し、60㎎では20%減少。
(使用期間はどちらも三ヵ月)
160㎎で「フィナステリドの3分の2程度の効果」といえばわかりやすいでしょうか。
かなり優秀です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26413190
インドネシアで40人の女性を対象に1日160㎎の大豆イソフラボンを12週間使用してもらった。
- にきびが改善され、血清DHTレベルが47%低下した。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19597532
日本人男性28名を対象に、一日大豆イソフラボン60㎎を3か月間使用してもらった。
- エクオール生産者のみ血清DHTレベル20%低下。
- エクオール生産者は悪玉コレステロールが17.8mg / 100ml減少し、善玉コレステロールが4.6mg / 100ml増加。
- LDL-コレステロールが10mg/dL増加すると、心筋梗塞の発生が10〜15%増加。
※エクオール:体内でイソフラボンから変換される物質
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21232127
ラットを対象に皮下注射(1mg / kg)したところ、血清DHTが50%低下した。
ゲニステインが重要
ゲニステイン(イソフラボンのひとつ)を摂取したマウスのDHTレベルが95%減少したようです。
ほかのイソフラボンとの比較データがないのでゲニステインが最もとは言えませんが、大きな要素である可能性が大。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12242729
- ゲニステインがもっともDHTレベルを減少させた。
- 濃縮ダイズタンパク質ではDHTレベルの減少はなかった。
- SPC中の他の大豆植物化学物質がゲニステインのアンドロゲン調節効果を打ち消すことができることを示唆。
サプリでも問題なく。むしろ良いかも
大豆粉、大豆タンパク質、半精製イソフラボンいずれも効果があるよう。
むしろ、ひとつ上の項目にある研究の「濃縮ダイズタンパク質ではDHTレベルの減少はなかった。」ということから、イソフラボンだけのサプリのほうが効果的かも。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12416261
大豆粉または半精製イソフラボンを1週間投与したラットにおいて、血漿DHTの低下と全血漿アンドロゲンの増加が示された。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15735098
35人の男性を対象に大豆たんぱく質を摂取してもらったところ、血清DHTレベルが減少した。
分けて摂ると吉
イソフラボンの半減期が5-6時間なので、一日に2-3回に分けて飲むのがよさげです。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15883431
エクオールの半減期は5-6時間だと確認された。
注意:ダイゼインはエクオールに変換する必要がある
ダイゼイン(イソフラボンのひとつ)はエクオールに変換できる人だけに効果が出ることを示す研究がある。
エクオールに変換するためにはエクオール産生菌とやらが要るみたい。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19597532
エクオール産生菌に関してはカラダチェックさんの記事が詳しいので、どうぞ。
毛髪の成長も促す?
他の育毛効果としては、IGF-1の発現を増加させるなんてものもあるようです。
IGF-1は成長因子のひとつで、これが増えると毛髪の成長促進につながります。
カプサイシンとの併用が一般的のようですので、おそらく相乗効果があるのでしょう。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19075656
カプサイシンおよびイソフラボンの投与は、毛包におけるIGF-I産生を増加させ、脱毛症を有する人において毛髪成長を促進する。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19502719
脱毛症を発症した42人、正常血圧29人および高血圧の13人に対し、カプサイシンおよびイソフラボン投与し、5ヶ月後にIGF-Iの収縮期および拡張期血圧および血清レベルを測定した。
IGF-1の血清レベルは、カプサイシンおよびイソフラボンの投与後に正常血圧および高血圧のボランティアの両方で有意に増加した。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17569567
マウスとヒト48人を対象
マウス:4週間の投与で毛包の真皮乳頭におけるIGF-1が増加、毛の再生が促進
ヒト:カプサイシン(6mg /日)およびイソフラボン(75mg /日)の経口投与後5ヶ月、64.5%が発毛促進効果あり
まとめ
以上、『イソフラボンの育毛効果が半端ないことが判明。噂より凄いんですが。』でした。
今回の要点を5つにまとめると、
- DHTとの結合も出来るのが特徴
- 160㎎で「フィナステリドの3分の2程度の効果」
- ゲニステインはかなり重要
- サプリでも問題なく効果が出るし、むしろ良いかも
- 一日2-3回に分けて飲むのが吉
といった感じ。
いやあ、思ったより盛んに研究されているのと、育毛効果の信ぴょう性の高さで二度ビックリしましたね。
DHTは抑制するし、毛髪の成長は促すという頼もしさ。
他にも、癌のリスクを下げたり、コレステロール値を改善したりと、魅力的な効果を示すデータが多くあったんですよねー。
注意:イソフラボンを長期間多量に摂取すると生殖機能に悪影響がでるとの研究が結構あるので、摂りすぎには注意してください。イソフラボンの悪影響についてはもっと詳しく調査してから記事にします。
おまけ
おまけに、本文にするほどでもないけど参考にはなる研究をいくつか紹介。
ラットを対象に、毛に影響するのか実験
エサに含む大豆油含有量を1%・5%・20%とわけたところ、10週間で、
1%:50匹中43匹
5%:28匹中11匹
20%:11匹中2匹
が、円形脱毛症を発症した。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12631244
抗炎症・抗酸化
抗炎症と抗酸化も確認されている。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4924202/
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