ここでは育毛剤の成分解析として、グリチルレチン酸について調査・解説していきます。
グリチルレチン酸は資生堂が販売する育毛剤「アデノゲン」にも入っている成分。
この成分がなぜ入っているのか、どんな効果があるのか、見ていきましょう。
グリチルレチン酸とは
まずは簡単に説明。
グリチルレチン酸は甘草の有効成分であるグリチルリチン酸を、加水分解して得られる成分。
漢方薬や外用薬・目薬などの医薬品に使われているほか、甘味料としても広く利用されています。
グリチルリチン酸は体内でグリチルレチン酸に変換された後に吸収されるので、両者の効能はほぼ同じです。
甘草
マメ科カンゾウ種の植物の根や根茎を乾草させたもの。
古くから漢方薬・生薬として利用されており、「生薬の王」とも称される。
育毛における効果
結論から言いますと、
「抗炎症作用・抗菌作用によって、頭皮環境を整える」
というのがグリチルレチン酸の育毛における主な効果です。
毛を太くしたり、毛の成長を早めたりするような効果はありません。
一応、それぞれの作用の簡単な説明も書いておきますね。
グリチルレチン酸の育毛に役立つ作用
- 抗炎症作用
- 抗菌作用
抗炎症作用
炎症の原因物質の産生に関わる酵素を阻害することで炎症を抑制します。
抗菌作用
腋臭や汗臭に関与する菌に対して、強い抗菌作用があります。
5αリダクターゼの抑制する効果も
グリチルレチン酸には5αリダクターゼを抑制する効果も確認されています。
調べていると、なかなか情報の出所が掴めないのでデマ情報かとも思いましたが、「FRAGRANCE JOURNAL」という科学研究開発専門誌が情報元のようです。
いくつかのハーブエキスの実験で、甘草エキスが最も5αリダクターゼを抑制することが分かったようです。
甘草エキスとグリチルレチン酸の効能はほぼ同じなので、グリチルレチン酸には5αリダクターゼ抑制作用があると言えます。
「FRAGRANCE JOURNAL」は1973年からある、かなり歴史が厚い雑誌なので、これらは信用できる情報かと。
余談になりますが同研究によると、ペパーミントエキス・クローブエキスの2つも5αリダクターゼ抑制効果があったとのことです。
育毛における副作用
グリチルレチン酸の外用における副作用
- ステロイド様リバウンド症状
グリチルレチン酸にはステロイドと同じような働きがあります。
外用の場合、リバウンド症状などの副作用が起きる可能性があります。
「じゃあ、グリチルレチン酸の入っている育毛剤を使用するとリバウンドが起こされるのか」
と思ってしまいますが、育毛剤でリバウンドすることはないので安心してください。
化粧品や食品にも使用されていることから分かるように、ステロイドと比べて副作用は非常に小さなものです。
多量に使ったり、中等量を長期的に使わない限りは全く問題ありません。
「育毛剤に多量・中等量といえるぐらい含まれているかもしれないのでは?」
との疑念が出るかと思いますが、それはあり得ません。
グリチルレチン酸は難水溶性といって、水にほとんど溶けない成分なので、
育毛剤にリバウンドが起こるほどの量を溶かすのは困難なのです。
育毛剤の使用でステロイド様リバウンド症状が出ることはほぼ無いと考えていいでしょう。
まとめ
以上、『グリチルレチン酸の育毛における効果と副作用|育毛剤の成分解析』でした。
グリチルレチン酸(甘草)はあらゆる製品に使用される成分だけあって、効果が高く安全性も確保されているようですね。
ただし、使いすぎると危険な副作用も出るので、その辺は注意。
今回の要点
グリチルレチン酸の育毛における効果
- 抗炎症作用・抗菌作用によって、頭皮環境を整える
- 5αリダクターゼを抑制する
グリチルレチン酸の育毛における副作用
- 育毛剤の使用ではステロイド様リバウンド症状はまず出ない
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