クエン酸は多くの化粧品に配合されているほか、フィンジアやベルタ育毛剤などの育毛剤にも配合されています。
クエン酸とはなんなのか、どんな効果があるのか、危険性はないのか、みていきましょう。
クエン酸とは
クエン酸はレモンなどの柑橘類や梅干しなどに含まれている成分で、酸味のもとでもあります。
デンプン類を発酵させて製造します。
ちなみにクエン酸の「クエン」はミカン科ミカン属のシトロンのことです。
シトロンの漢名が「クエン(枸櫞)」で、そこからクエン酸と名づけられました。
役割+効果
クエン酸のおもな役割
- ph調整
- キレート
クエン酸は人体に何かしらの効果を出すために配合されているのではなく、製品の性質を整えたり、安定化させるために配合されています。
ただ、皮膚への良い効果もいくつか確認されていますので、それについてもチョロっと書いていきます。
ph調整とは|なぜ必要?
クエン酸はphを調整する作用をもっています。
phは水素イオン指数というもので、簡単にいうと、酸性・中性・アルカリ性を表す数量です。
酸性やアルカリ性に偏りすぎていると刺激物になるので、phを中性(正確には弱酸性)よりに調整しなければいけません。
クエン酸はその調整のために配合されているのです。
ちなみに、クエン酸は酸性なので製品を酸性側に調整しますね。
キレートとは|なぜ必要?
クエン酸はキレート作用を持っています。
キレート作用は簡単に言うと、ミネラルと強力に結合する作用のことです。(正確には複数の配位座を持つ配位子による金属イオンへの結合)
この作用が起きたミネラルは他の物質に反応できなくなります。
ミネラルが他の物質に反応すると製品が溶け合わなくなったりと不都合があるため、キレート作用をもつ成分を配合する必要があるのです。
アトピー性皮膚炎をやわらげる
クエン酸にはアトピー性皮膚炎をやわらげる効果があると確認されています。
2014年、ドイツのミュンヘン工科大学の研究によると、クエン酸でコーティングされた布を1日12時間・2週間つけることでアトピー性皮膚炎が改善されたとのこと。
データを見ると2週間で、症状が平均4割ほど改善しています。
結構大きな効果がありますね。
薄くなった皮膚を厚くする
クエン酸は紫外線によって薄くなった皮膚を厚くする効果が確認されています。
1997年、アメリカのシドニー・キメル・メディカル大学の研究によると、紫外線によって損傷された皮膚にクエン酸配合ローションを塗ったところ、皮膚の厚さとグリコサミノグリカンの含有量が増強されたとのこと。
グリコサミノグリカンはヒアルロン酸をはじめとした皮膚の健康を保つために必要な物質です。
つまり、クエン酸はダメージを負った皮膚を厚く、しなやかにしてくれます。
危険性
皮膚・眼・喉に刺激となり、特に眼には強い刺激を与えます。
ただし濃度によって、皮膚に対しては刺激にならないとされており、OECDのレポートでは濃度2.5%のクエン酸溶液は刺激にならないことを示す臨床結果が記されています。
化粧品に配合されているクエン酸の量は多くても0.2%程度なので、育毛剤に2.5%以上配合されていることはまずないと考えていいでしょう。
つまり、育毛剤においてはクエン酸による刺激を気にする必要はありません。
まとめ
以上、『クエン酸の効果と危険性|育毛剤の成分解析』でした。
効能を期待して配合される成分ではありませんが、皮膚へ良い影響があるよう。
筆者はアトピーに苦しんだこともあるので、アトピーをやわらげる効果には惹かれてしまいますね。
育毛においても、プラスにはなれどマイナスになることはないでしょう。
では、まとめです。
クエン酸は...
- レモンなどの柑橘類や梅干しなどに含まれている酸味成分。
- おもな役割はph調整とキレート処理。
- アトピー性皮膚炎をやわらげる効果もある。
- 皮膚を厚く、しなやかにする効果もある。
- 育毛剤においては刺激を気にする必要はない。
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